不動産売却にかかる平均期間は？

不動産を売却しようと考えている方の中には、いつから動き始めれば良いのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。今回は不動産売却の手順と期間について解説していきます。不動産売却を計画的に進めるための参考にしていただければ幸いです。

不動産売却の流れ

結論として、不動産売却には平均して3か月から6か月程度の時間がかかります。ただし、この期間は販売活動の進行状況によってさらに延びることもあります。

• • 1．査定依頼を行う（2週間程度）

  • 不動産売却をする際に、まず査定依頼を行います。直接不動産会社へ連絡をするもしくはネットで検索をすると一括査定サイトが出てきます。簡易査定（住所や物件の面積などで机上で行う査定）では早ければ１日、実査定では約1〜2週間で査定額が算出されます。

  • ２．媒介契約を結ぶ（数日~1週間程度）

  • 査定を行った不動産会社から媒介契約を結ぶ会社を選びます。媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があり、それぞれ契約期間や契約内容などが異なります。

不動産売却は、時間と労力を要する大きなイベントです。スムーズな取引を進めるためには、信頼できる不動産会社と担当者を選ぶことが重要です。慎重に選定することをお勧めします。

• • 3．売却活動を始める（平均3か月）

• 媒介契約を締結したら、売却活動を開始します。スーモやホームズなどのポータルサイトに物件を掲載したり、チラシを撒いたりして集客をします。物件にもよりますが、３か月くらいが平均期間と言われています。早ければ数日〜2週間程度で買主が見つかることもありますが、物件によっては１年以上かかってしまう可能性もあります。
  買主が見つかるまで売却活動を行う必要がありますので、売り出しが一番時間がかかる期間となります。もし3か月が経っても購入希望者がほとんど現れないような状況であれば、物件価格の見直しや、不動産会社の変更を検討することをお勧めします。

  • 4．売却活動を始める売買契約（2週間～1か月程度）

• 買主が決まったら売買契約が締結されます。契約時には手付金として売却額の1割程度が必要になります。買主が住宅ローンを利用する場合では、契約後にローンの本申し込みを行います。審査には2週間〜1か月程度かかることもあります。

• 5．決済・引渡し（1か月程度）

  • 売買契約を結んだのち、代金決済と物件の引き渡しを行います。引渡し日には売主と買主だけでなく、不動産会社や金融機関の担当者、司法書士が集まりますので、日程調整の時間も必要になります。

売却期間が長引く理由

• • • • 1．売り出し価格が高い

不動産売却において、価格設定は所要期間を大きく左右します。利益を最大化したいという思いから、売却価格を高めに設定するケースがしばしば見られますが、これが売却期間の延長につながるのです。 過剰な価格設定は、買い手を遠ざけ、結果的に物件が市場に長く留まることになり、売却チャンスを逃してしまう可能性があります。 売却価格を適正に設定するためには、まずは自身の物件が位置するエリアの市場相場を把握することが必須です。この情報を元に、信頼できる不動産会社に査定を依頼し、そのフィードバックを基に価格設定をおこなうことが推奨されます。もし売却開始から3か月が経過しても売れない場合は、価格の見直しや適度な値下げを検討することが有効です。 ただし、頻繁に価格を下げることは避けましょう。購入検討者に「さらなる値下げを待てば良い」との印象を与えかねず、結果として売却までの期間を不必要に延ばしてしまうリスクがあります。価格設定には慎重に、市場状況を見極めながら適切な戦略を立てることが重要です。

• • • 2．ポータルの掲載状態が良くない

    • ポータルにどのような文章、写真が掲載されているかによって、お客様へ与える印象が変わります。居住している自宅を売りに出す場合も、できる限り整理整頓、掃除をして室内の写真を撮影し、ポータルに掲載してもらうことをお勧めします。

    • 3．不動産会社の腕が良くない

    • 不動産会社には、扱うエリアや物件種別の得意不得意があります。そのため、物件と不動産会社との相性が合わない場合では売却に時間を要する可能性もあります。また、どれだけ広告を打つかなどの集客力の違いもあります。

売却期間が長引くことによるデメリット

• • • 1．物件の印象が下がる

    • インターネット広告などで何度も同じ物件を目にしていると、購入希望者は「人気がないのは何か問題があるからだ」と疑うようになります。仮に第一印象が良くても、途中で意見が変わってしまうかもしれません。また、宣伝期間が長引くと「新着物件」に表示されなくなるため、閲覧者の目に留まりにくくなるのもデメリットです。

    • • 2．売却活動の優先順位が低くなる

時間が経過するにつれて、その物件の売却活動に対する不動産会社の優先順位が低下するリスクがあります。不動産会社は通常、複数の物件を同時に扱っており、より早く売れそうな物件にリソースを集中させる傾向があります。
このため、市場に長期間出回っている物件は、比較的「売れにくい」と見なされ、売却活動の優先順位が低く設定されがちです。

• • 不動産の売却期間を短縮する方法

    • • 1．適正価格で売りに出す

  • 不動産売却をスムーズに完了させるためには、物件を適正価格で市場に出すことが重要です。過剰に高い価格設定は売却を遅らせる主因の一つになります。短期間での売却を目指す場合、市場の実情に即した価格設定が不可欠です。この適正価格を見極めるためには、複数の不動産会社に査定を依頼し、その価格を比較することが有効です。査定価格を比較することで、市場価格から大きく外れた不自然に高い査定価格を排除できます。例えば、一つの会社から異様に高い査定価格を提示された場合、それは現実的な市場価格ではない可能性が高いと判断できます。査定結果が近い範囲に集中している価格帯こそが、その物件の適正価格ゾーンと言えます。この適正価格ゾーン内で価格設定をおこなうことで、売却期間を短縮しやすくなるでしょう。

  • • • 2．需要が高まる時期に売る

    不動産の売却効率において、売り出すタイミングは非常に重要です。一般的に、引越しの需要が高まる時期、すなわち新生活がスタートする春（2月〜3月）や秋（9月〜10月）は、不動産が売れやすいシーズンとされています。この時期は、新社会人や学生、転勤族などが新たな住まいを探すため、市場における需要が自然と高まるのです。

    これらのピークシーズンに売り出すことで、売却期間を短縮し、時には市場価格を上回る価格での売却が期待できる場合もあります。反対に、これらのシーズン外での売り出しは、売却までに予想以上の時間を要するリスクを高めることになります。

    • • 3．買取業者に売る

  • 速やかな売却を望む場合、不動産の直接買取が有効です。この方法では、不動産会社が物件を直接購入しますが、市場価格の約80%程度での取引となることが一般的です。買取による売却期間は通常3日から2週間程度で、迅速な資金化を図れます。築年数の経過した物件や立地条件が不利な物件は、売却期間が長引きやすい傾向にあります。特に築年数が15年以上経過している物件は、新築や築浅の物件と比べて需要が落ちるため、売却に時間がかかることが一般的です。一般的に条件が悪いと思われる物件に関しては特に、買取を検討することをお勧めします。

  • • • 4．内覧時の印象を良くする

  • 内覧は不動産売却において重要な工程であり、内覧時の印象が悪いとなかなか成約には繋がりません。少しでも印象を良くするために、内覧前には片付けや整理整頓を徹底しておこないましょう。また、当日は購入希望者が見学しやすいような環境をつくることも大切です。梅雨時期は除湿、夏は冷房をつけるなどして、快適な温度でリラックスして見学できるようにしましょう。居住中に内覧をおこなう場合は、購入希望者が見学しやすいよう、少し離れた場所で待機しておくなどの工夫も必要です。